葬儀の気になること

お葬式を2度やった経験から感じたこと、気になったことを色々書きます。 ちなみに葬儀は仏式が1回、神式(天理教)を1回。

エンディングノートは必要か?

いつの頃からか、エンディングノートというのが出回るようになりました。
いわゆる終活の一環です。お年寄りが元気なうちに亡くなった後のことを託すためののノートです。穴埋め式といいますか、ここにはこういう事を書いてくださいと親切に作られたノートです。
亡くなった時に誰に連絡をすればいいのか、どこのお寺にお願いするのか、どんなお墓がいいのか、骨壷はどうするか、合祀でいいのか、などなど葬儀やその後に関するものが中心です。それ以外には親類縁者をまとめた家系図や、自分の略歴なども書くようになっています。
ノートに従って書き進めれば亡くなったあとのこともバッチリというノートです。葬儀場の内覧会などでエンディングノートをもらえるそうですから、葬儀の段取りがスムーズになります。
ただし、法的な遺言状とは違うのでエンディングノートが法的に有効かどうか、というのはよくわかりません。

祖母が亡くなった時、葬儀は天理教であげたのですが、天理教の葬儀では(天理教以外の神道でもそうらしいですが)故人がいつ生まれて、何年に学校に入り、就職して、結婚して、退職して、などなど経歴を斎主が祝詞として読み上げるのですが、正確な年までは意外と知らないもので、確認するのに少し時間がかかりました。亡くなる前に用意できたらスムーズに、正確に作れたと思うので、エンディングノートに記録を残しておけばよかったと感じました。

エンディングノートは書いてもらえない

では、このエンディングノートは有効なのかと考えると、きちんと書いてもらえれば残されたものにとっては助かるでしょう。しかし、現実ではなかなか上手く使えないのではないかと思います。
その理由の一つはだんだんと年をとってくると、書き物もおぼつかないというか、理路整然とした文章を記すのが苦手になってきます。ちょっと長い文章になると、なかなか難しくなってきます。書き物が苦手になる前に書けばいいのでしょうが、そんなしっかりとしている頃から書こうと手に取る人は少ないでしょう。

また、周りが書くようにすすめるのも本人の気を悪くしかねません。悪いことに、年を取ると猜疑心が強くなるのか変な事を考えがちなので、余計なことを考えてほしくないと思うと、エンディングノートを書くように勧めるのは周りも億劫でしょう。ましてや病気になってから、入院してからなんて勧めることは出来ないでしょう。

他の終活とあわせれば書いてもらえる?

生前から自分が入るお墓を作っておくという方もいます。お墓が古いから新しくする、墓地を変更する、2つのお墓を一つにまとめる、などなどのタイミングがあります。そういう時、エンディングノートを書くきっかけとしていい機会だと思いますが、お墓もしょっちゅう新しくするものでもありませんから、誰もが使えるタイミングというわけではありません。

エンディングノートを書いてもらうタイミングは非常に難しいと思います。周りから書くように勧めるものではなく、自分の意思で書いてもらうものだと思いますが、実際に書いている方は少ないと思います。生前から自分の骨壷を用意される方がいるそうですが、そういう方でないとエンディングノートを書かれないのかなと思います。エンディングノートや自分の葬儀のことに関心を持ってもらい、なるべく元気なうちに、必要な情報を残してもらえると助かりますが難しいと思います。