葬儀の気になること

お葬式を2度やった経験から感じたこと、気になったことを色々書きます。 ちなみに葬儀は仏式が1回、神式(天理教)を1回。

葬儀の受付は誰にお願いしたらいい?

葬式は葬儀社にお願いすれば一通りなんでもやってくれますが、そんな葬儀社にも出来ないのが受付です。
なぜ、葬儀社側が受付を行わないかというと、その理由の一つは香典を扱うことになるから。

香典袋の中身は現金ですので、そこに葬儀社の人間が関わると、何か問題が起きた場合に面倒なので、受付はこちらでやることになります。ちなみに、香典を入れておく金庫もありますが、鍵を渡されるだけで出したり入れたりする際にも葬儀社の方は関わりません。

葬儀に関するほとんど全てを任せることができますが、受付だけは自分たちでなんとかする必要があります。受付をお願いするのは、ほとんどの場合が親戚だと思います。親戚で足りない場合は親しい友人関係にお願いします。

お願いをする際に一つだけ注意しておかないといけない点があります。それは葬儀の最中にも受け付けに一人は必要なこと、です。読経や焼香の間も受付に人を置く必要があるので、故人と親しかった方がそうならないように配慮する必要があります。ある意味、少し疎遠な親戚くらいが受付をお願いするにはちょうどいい間柄です。

ある程度、年配の方なら受付を行った経験がある方が親戚の中にいると思うので、受付経験者にお願いするのもいいかと思います。

香典の目安

香典にいくら包めばいいのか、失礼にならない額はどのくらいなのかいつも頭を悩ませます。なので、おおよその目安と、どうやって決めたらいいのかの指針をまとめました。

どうやって決めたらいいか?

典型的な考え方ですが、故人に対して同じ立場の人と話して同じ額を包むのが無難です。例えば故人が職場関係であれば、他の職場関係の参列者と話して同じ額にした方が渡す側もいただく側も失礼のない額に落ち着きます。親戚関係も同じ立場であれば、付き合いが薄くても同じ額にするのが無難です。ほとんどの方がいくら包むか頭を悩ませていますので、いくら包むか声をかけられる方が助かります。

以前に故人やそのご家庭から香典を頂いた場合は同じ額を包むのがマナーといわれています。特に親戚関係は同じ額を包むことが常識と考えている方は多いの要注意です。地域によっては、葬儀関係の支払いを楽にするため、親戚関係にはかなり包む場合がありますが、そういう地域では同じ額を包まないとかなり失礼になりますので、香典を頂く場合はしっかりとその額を記録して残しておく必要があります。

おおよその目安

3千円

地域によっては3000円を包む場合もあります。ただし、はじめから2千円から3千円の香典返し(会葬御礼)を渡す地域では失礼になります。

5千円

現在では5000円が一番無難な額です。会葬御礼、香典返しに2000円から3000円程度のものをいただく場合が多くなっていますので、3000円では少なく5000円が無難になります。ただし、相手との関係では5000円では十分ではないかもしれません。

1万円

香典に1万円は普通よりも多い額です。他の参列者よりも結びつきが強い場合に包みます。親戚関係だけど付き合いが薄い場合や、配偶者の親戚関係などでは1万円程度を包む事が多いと思います。
親戚関係でなくても、友人やお世話になった方、場合によってはお客様、顧客に包む事もあります。
香典をもらう側としては、1万円は香典返しがそれほど面倒ではないのでありがたい額です。

3万円

3万円は明らかに多い額です。親戚関係や特に仲が良かった友人などの場合に包みます。またお斎の席に呼ばれた場合は、席料も半返しに含めると考えることが一般的なので、3万円は包むべきでしょう。
もらう側からすると、親戚ではない方やお斎に呼ばなかった方から3万円の香典をいただくと香典返しも面倒になるので控えた方がいいかもしれません。

5万円

親しい親戚や家族、身内などが包む額です。親戚などは3万円の香典と名前を変えて1万円包む場合もあります。

10万円〜

家族や親戚が包むことがあります。親戚関係の場合は、他の親戚よりも突出して額が多いと相手のメンツが立たないなんてことを考える方もいるので、注意が必要な額です。
香典返しもお斎の席では不十分な額ですので、困ります。

往生と成仏の違い

往生は極楽浄土に生まれ、仏陀をめざして修行することを意味しています。
それに対し、成仏は文字通り仏に成るという意味を持ちます。基本的に仏教では死後に仏になるという考えはないので、亡くなったという意味で成仏という言葉を使うのは不適切です。仏教的には成仏は正しくない可能性がかなり高いと捉えて間違いありません。

しかしながら、故人を仏様(ほとけさま)と呼ぶことがあるように、日常的には仏は必ずしも悟りを開いた仏陀を意味しないので、成仏という言葉を使っても非難されるようなことはないと思います。日本の宗教観には死後に仏や神になるという考えがなくはないので、成仏という言葉が浸透したようです。

成仏よりは往生の方が無難ですので、使うのであれば往生の方が適しています。

香典はいくら包めばいいのか?

内容は表題のとおりですが、前提として地域によって習慣が異なるので日本全国同じではないということを頭においておいてください。

会葬御礼と香典返し

会葬御礼というのはお通夜や葬儀の際にお渡しするものを指します。香典返しは四十九日が過ぎてから香典の半返しの品をお渡しするものです。会葬御礼が1000円程度の地域と、2000円から3000円程度の地域にわかれます。

どちらなのか、それにより香典の額がちょっと変わります。

無難な額は5000円か1万円

通夜や葬儀の際に受け取る品が2000円から3000円程度の地域は香典の半返し、香典返しの意味を持っています。つまり、その倍程度は包む必要があります。そんな地域では最低でも5000円は包まないといけません。会葬御礼が1000円程度の品の場合は3000円でも失礼ではありませんが、5000円というケースが一般的のようです。つまり、5000円包んでおけば間違いありません。

お世話になった方などには1万円でも大丈夫です。お世話になったから3万円、5万円包んでもいいのですが、遺族側からすると香典返しの手間が増えます。1万円の方には同じ香典返しが出来ますが、一人だけ極端に多いとなると、その対応が必要になります。3万円、5万円も包んでいただいてお斎にも呼ばなかったとなると遺族側も失礼したと感じますので、沢山包んでいただくのも微妙なところがあります。

手間を取らせたくないと考えるのであれば、家族の名前を借りて香典を2つ包むという方もいます。

そんなに気にする必要はありませんが、5000円か1万円が無難な額で、多すぎても気を使わせるという話しでした。

供花の出す時、もらう時、基本的なマナーとは

供花とは通夜や葬儀のお供えの花です。スタンドに盛られるものが一般的です。

供花は花の内容と一段が2段かで値段が変わります。1段で7千円から2.5万円程度、1万円程度のものが中心、2段で2万円から3万円、2万円程度のものが中心です。1段のものはあまり見かけず、2段のものが多いと思います。

スタンドを一基で出す場合と、2つ一組の一対として出す場合があります。多くは一基ですが、地域によっては一対が基本ということもあるようです。

花は菊を中心に構成しますが、キリスト教の葬儀の場合は菊以外のもので構成することも(高くなりますが)可能です。

供花の他に通夜や葬儀にお供えするものとしては缶詰詰め合わせ、果物盛り合わせ、お酒、ロウソクなどがあります。地域によっては花輪を斎場の外にあげる場合もありますが、花輪を出す地域であっても斎場によっては設置できる作りになっておらず受け付けていないので頼む場合は斎場に確認が必要です。

供花のグレード

供花は祭壇を中心に親族、親戚や目上の方から頂いたものを並べます。上座、下座があるので並べる順番は葬儀社のアドバイスなどもあると思いますが、基本的に喪主、遺族が決めます。
本来、端っこに置かれる供花があまりにも豪華で、真ん中よりも目立ってしまうとカッコがつきません。そのため供花を出す側が端っこに置かれるとわかっているならば、あまり豪華なものを出すのではなく一般的なグレードのものを選ぶ方がいいかと思います。

一基にするか、一対にするか、ですが、これは地域によって異なるようです。一基で出す地域が多いようですが、中には一対で出す地域もあります。一対ではなく、名札の名義を変えてニ基出す場合もあります。例えば会社名で一基、社員一同で一基、というような形です。グレードの高い供花ではなく、一般的なものを2基出すというのもありだと思います。

葬儀の後は

供花の花は入るだけ棺に入れますが、ほとんどは残ります。残った花は花束にして会葬者に一つずつ持って帰ってもらい、それでも余った花は自宅などに運んでもらいお供えに使います。また、葬儀後に自宅前においておくと近所の方がもらっていくという地域は少なくないと思います。
しかし、地域によっては花束などにせずに処分する場合もあるようです。処分をする地域でも、予め伝えておけば花束にしたり、お供え用に運んでもらえるそうなので、供花をどうするのか聞いておいたほうがいいかもしれません。

供花をもらったら

供花は香典のような扱いで、香典返し、いわゆる半返しの対象と考える方が多いと思います。頂いた香典とあわせて、どのくらいが半返しとなるのか考える必要があります。会社名などの場合は分けることが出来るお菓子などがいいかもしれません。

葬儀費用を抑えるポイントは?

葬儀費用は100万円から200万円くらいといわれます。
内訳はお布施、祭壇、香典返し、通夜ぶるまいなどの接待代がそれぞれ全体の1/5くらい、残りの1/5がその他という感じです。
例えば総額180万円なら、お布施、祭壇、香典返し、接待代が36万円という計算になります。実際には接待代がもう少し少なく、その分香典返しがもうちょっと多くなるかもしれません。

葬儀費用を抑えるなら直葬、通夜と告別式を一緒に行う1日葬があります。そういったものではなく普通の葬儀で、どこを気にしておくと費用を抑えられるのかまとめました。

菩提寺がなければお布施は抑えられる

葬儀代を抑えるためには、葬儀社などが仲介するお坊さんに頼むことでお布施を抑えることが出来ます。大抵の場合、フリーというかお寺を持たないお坊さんのためお布施が少なくてもやっていけるそうです。逆にいうと、お寺を維持しているお坊さんは同じ水準のお布施では維持できないという事でもあります。

こういった仲介で派遣されるお坊さんにお願いが出来るのは菩提寺がない場合、お寺にお墓がない場合のみだと考えてください。お寺にお墓があり、そこに納骨する場合はそのお寺にお願いするのが筋ですし、最悪納骨を断られます。お墓がまだない場合や、お墓を作らない場合はフリーのお坊さんにお願いするのもいいかと思います。

葬儀費用は祭壇代が多くを占める

祭壇の費用はお通夜・告別式にかかるコストでは最もかかります。葬儀の見積もりをもらうとびっくりすると思います。ちょっと大きいものになると100万円近くになります。最近は生花を使った花祭壇が人気だそうですが、生花をぎっしりと使うため費用もかさみます。もし事前にホールの見学会などに参加する機会があれば、祭壇費用とどんな祭壇になるのか確認しておくといいかと思います。

簡素な祭壇であれば数万円程度からあるようです。小さい祭壇は見た目が寂しいですが、祭壇費用は無駄に高く感じるので割り切るのもいいかと思います。供花を沢山いただくと祭壇の脇からホールの後ろの方まで伸びてしまいますが、祭壇が小さい方が供花が真ん中に集まっていいかもしれません。

最近注目されている家族葬は会場が広くないため祭壇も小さいものを使うので祭壇の費用も抑えられます。
家族葬は葬儀費用を抑えられる反面、いただく香典も少なくなるため、全体の収支では一般的な葬儀とそれほど変わらないようです。家族葬は葬儀費用を抑えるというよりは、落ち着いて身内で送りたいという場合に利用する方がいいかと思います。

香典返しは費用を抑えにくい

香典返しと接待費用は地域によってだいぶ異なるようです。通夜ぶるまいや会食は弁当で済ます場合から一人1万円程度の会食まで様々です。基本的には香典で賄える部分で、頂いた分を返すため抑えるというのは難しいかもしれません。

まとめ

葬儀費用を抑えるなら、お布施と祭壇費用の2つが大きく影響します。お布施は相手のいることなので、相手次第になります。祭壇は費用をかけるほど豪華になりますので、抑えるほど質素になります。時代柄、質素な祭壇だからといって特に変ということもないので、祭壇は抑えてもいいかと思います。
また、一般的な葬儀ではなく直葬や1日葬、仏式ではなく神式なども検討してみてもいいかもしれません。

友引に通夜や葬儀をやっても大丈夫?

友引に通夜や葬儀を行わないことは知られていますが、最近ではその習慣も薄くなってきました。縁起が悪いとされますが、その理由はご存知でしょうか?

友引とは

友引とは六曜の一つです。六曜は他に先勝・先負・仏滅・大安・赤口があります。仏滅と大安も有名です。仏滅という言葉から仏教に関連すると思われがちですが、関係はありません。内容は勝負事に関するものが多いため、諸葛亮が六曜を発案したという説もありますが、現在ではこれは俗説だと考えられています。

六曜は占いの一つで、中国が発祥であるとされていますが、いつ頃からあるのかその由来はわかっていません。日本へは鎌倉時代末期に入ってきたといわれています。中国から入ってきた後、順番や当て字が変わり、現在のものになったとされます。仏滅、友引も当て字で、仏教などとの関連はありません。

友引に葬儀を行うことが縁起が悪いといういわれも本来ありません。

なぜ友引を避けるのか?

友引を避けるようになった理由はわかりませんが、仏滅や友引という当て字が不幸を連想させることが由来だといわれています。仏教的な意味合いはなく、浄土真宗ではむしろ六曜に影響を受けることを否定しています。

理由は明確ではありませんがいつの間にか友引を避けるようになったため、斎場や火葬場が定休日となり、友引に葬儀を行うことは非常識、となりました。

友引は火葬場との関係も

現在では友引を避けなければいけない、という意識が薄くなっているため友引でも葬儀が行われることがあります。都市部の公営火葬場は友引明けが混むため友引を定休日としないケースも増えていますが、全国的にはまだまだ友引を定休日とするケースが多いため、友引に葬儀を行えない地域が多いようです。

まとめ

友引に葬儀を避けるのはただなんとなく、という習慣が長く続いたためです。宗教的な意味合いなどはありません。しかし、縁起が悪いと信じている方はまだまだいますので、友引に葬儀を行う場合は家族や親戚の意向も尊重した方がいいと思います。